水道水が飲める国は世界で15か国だけって本当?!驚きの世界の水道事情

海外に旅行に行く時、周りの人から必ず言われるのが「生水を飲むとお腹を壊すから飲んではいけない」という言葉です。あなたも言ったり言われたりしたことありませんか?しかし、これってなぜなのでしょうか。今回は日本と世界の水事情のお話です。

水道水が飲める国・日本

「水道をひねると透明な水が出て、その水はそのまま飲むことが出来る。」

これは日本人にとっては当たり前の事ですが、それが同じように出来る国は世界中どこにでもあるわけではありません。川や湖の水や井戸を使用している国もありますし、水道が整備されていてもそこから出てくる水がきれいとは限らないのです。日本はこの点においてとても恵まれている国なのです。

日本の水が安全な理由

日本の水道水は高度浄水処理されているので、蛇口をひねると出てくる水を飲料水として使う事が可能です。これはなぜかというと、「水道法」という法律で水道水の水質基準が定められているからです。

水道法で定められている水質基準は、「水道水質の安全を確保するため、生涯にわたって連続的に摂取しても人の健康に影響が生じない量をもとに、安全性を十分考慮して基準値が設定されています。」とした理念に基づいて定められています。また、定期的に原水・浄水場の水・家庭の水道を水の水質検査が行われ管理されています。日本の水道水が衛生的で安全に飲めるのはこういった厳しい法律と管理体制があるおかげです。

日本の水道の始まりは、なんと120年前!

日本も昔は川から直接水を汲んだり、井戸を利用したりしていました。江戸時代に幕府が神田上水や玉川上水などの水道整備をしたので、武家や町民の住む地域には水道網が通っている場所もありました。ですがこれにはまだ浄水施設は伴っていません。しかもそれは本当に限られた地域のみで、日本中のほとんどの家では川の水を汲んだり井戸から地下水をくみ上げて使っていました。

幕末になると、コレラやチフスなどの感染症が流行しました。このコレラやチフスは水を介して拡がる感染症で、流行の原因は水道の水質汚染や不衛生な飲料水でした。このような感染症から国民を守る為に、衛生的で安全な飲料水を供給する水道の設備が確立されたのが1887年(明治20年)です。これが現在の水道のはじまりです。

ここから都市を中心に水道が発達していきます。しかし二度にわたる大戦の影響で水道事業がストップした為、昭和32年の時点では普及率は約41%にとどまっていました。急激に普及が進み始めたのが高度経済成長期です。平成23年には日本の水道普及率は97.5%に達しました。このおかげで私達は毎日水道水を飲むことが出来ています。なお、水道が普及されていない地域は主に離島で、井戸水を使っていたりします。

水道が整備されている国

世界で水道水の普及率が100%に達しているのは、スイス、デンマーク、ブルガリア、イギリス、スウェーデン、フィンランド、オーストリア、ベラルーシなどのヨーロッパの国と、アメリカやカナダ、オーストラリアなどです。しかし、水道水が普及しているからといって、その水がおいしくて安全だとは限りません。

欧米諸国は水道水をそのまま飲むことはほぼなく、飲み水にはミネラルウォーターを購入するそうです。

世界の水道水が飲める国

海外でも日本のように水道設備が整っている国はありますがそれは限られた国のみで、ほとんどの国では水道水は飲むことが出来ません。水道水が飲める国は日本を含め15カ国しかないのです!水道水が飲めるのが当たり前だと思っている私たちにとっては信じがたい事実です。

『平成16年版「日本の水資源」(概要版)』にて国土交通省が発表している、世界で水道水が飲める国は以下の国です。国別に細かくご紹介していきます。

フィンランド

フィンランドには数えきれないほどの湖があり、水源には恵まれています。その湖の水は飲料水用にヨーロッパ各地へ輸出もされているそうです。その為水道水は安全に飲むことができ、ペットボトルのミネラルウォーターより水質が良いという調査結果が出ています。

また、フィンランドの水は軟水です。

スウェーデン

スウェーデンの水道水はとても水質が良いと言われています。広大な自然から良質の地下水が摂れ、且つ人口も少ないおかげで汚染されにくい為と考えられています。

アイスランド

アイスランドの水道水は世界で最もきれいな水の一つと言われています。水道からは、消毒を全くしていない天然水が出てきます。その為、ミネラルウォーターを購入する人はほとんどいません。

OECD(経済開発協力機構)の2001年の報告では、アイスランドの飲料水は汚染物質や重金属を含まず、質が高いと発表されたそうです。そして飲料水は厳しい管理により安全性が保たれているそうです。なお、蛇口から出るお湯は、硫黄分を含んだ温泉なのだとか。蛇口から温泉なのにはビックリですね。

アイルランド

アイルランドの水道水は硬水の地域が多いが、そのまま飲むことができます。日本並みに安全なのだそうです。

ただ、クレア州、ゴールウェイ州などの地域は、適切な水道完備がなされていないようなので、こちらの地域に行かれる際は、ミネラルウォーターを購入するのがいいでしょう。

ドイツ

ドイツの水道水は、ほぼ硬水で、どの町でも飲むことが出来ます。ドイツには水道水の品質に関する決まりがあり、それはミネラルウォーターの審査の基準よりも厳しいそうです。

オーストリア

オーストリアの水道水はほとんどがアルプスの湧き水です。アルプスの水はおいしいと有名ですし、衛生管理がきちんとできていますので水道水を飲んでも問題ありません。

スロベニア

水道水は都市部では安全に飲むことが出来るようですが、一部農村地域では化学薬品による汚染が指摘されているので飲まない方がいいでしょう。

クロアチア

水道水は飲むことは出来ますが、石灰分の多い硬水です。

アラブ首長国連邦

アラブ首長国連邦ではWHOのガイドラインに沿っているので水道水は安全だそうです。水は脱塩した海水や地下水から人工的に作られているので綺麗です。しかし、各家屋の貯水槽が衛生的ではない場合もあり、完全に蛇口から出る水が安全とは言い切れないようです。そのため、観光客にはミネラルウォーターを買うようにと勧めています。

南アフリカ

南アフリカも水道水を飲むことが出来ます。安全な水を飲むことが出来るのは主に都市部ですが、その都市の中でも水道設備の老朽化による汚染や水漏れ、貯水槽の杜撰な管理などの問題はあるようです。地方の村ではいまだ泥水を飲んでいる地域もあるそうなので地域差はあります。

モザンビーク

国土交通省は水道水をそのまま飲んでも大丈夫と言っていますが、外務省は、水道設備の管理能力が不十分で配管や貯水槽の管理も不適切なので、飲用には市販のミネラル水を飲むように言っています。

レソト

水道水は飲料水として利用可能ですが、念のため煮沸したものかミネラルウォーターを利用した方が良いそうです。また小さな村落のほとんどでは水は通っていません。

オーストラリア

オーストラリアは全土を通して水道水を飲むことが出来ます。しかし日本と比べると水の成分が少し違うそうなので、心配なら沸騰させてから冷まして飲んだり、ミネラルウォーターを飲めばいいそうです。なお、スーパーなどで売られているミネラルウォーターと呼ばれるものは通常炭酸入り天然水ですので注意して下さい。

ニュージーランド

基本的には安全な水で、水道水を飲料にすることは出来ます。しかし地域によって品質にばらつきがあるので、浄水フィルターを使うことを勧めている自治体もあるそうです。

また、「虫歯を予防するため」に多くの都市で水道水にはフッ素が入っています。

そして日本です。

水道水しか飲まない国と、かろうじて水道水が飲める国、飲めると一言でいっても状況は違うようですね。これら15か国のうち、北欧の水道水は安心して飲むことが出来そうです。

この他の国でも、水道水を飲んでいる国はあります。アメリカやフランスでも水道水は安全性が高く飲むことが出来ると言われています。

また、高品質な浄水器や浄水ポットを使ったり煮沸したりすれば、飲めないと言われている水道水でも飲むことは出来ます。そういった国を入れると水道水を飲める国数はもう少しは多くなるかと思われます。

ちなみに、国によりますが、都市部は水道水がきれいでも田園地方に行くと飲めなくなるということもあります。旅行に行った時に心配な場合は、水道水が確実に安全だと言われている国の水道水だけを飲み、それ以外の国ではお店で売っているミネラルウォーターを買うといいでしょう。

なぜ水道水が飲めない国が多いの?

水道水が安全に飲める国、飲めない国には様々な理由があります。

  • 面積のせい?

面積が広い国は、その分水道のインフラ整備が大変です。日本のように狭い国土で人口も比較的集中していると整備もしやすいのでしょう。

  • コストを抑えるために

日本のように高度浄水処理をするにはかなりのコストがかかります。諸外国では水道設備を整えるよりも、安全な水をペットボトルにして売る方がコストが安く済むため、あえて水道設備を導入しない国もあるそうです。

  • 水道自体がない

水道はあれども、浄水レベルが低いので飲めない国もあれば、水道自体が通っていない国もあります。そういった国は井戸や川の水を汲んで使用しています。

海外旅行に行くときの水にまつわる3つの注意点

水事情が心配な発展途上国などの国を訪れる際は、しっかりと下調べしてから行きましょう。場合によっては浄水ポットなどを持参するのもいいです。

なぜ海外のお水を飲むとお腹を壊しやすい?

日頃軟水を飲んでいる日本人は、海外の硬水を飲むとお腹を下す場合があります。これは軟水に比べて硬水にミネラルが多い為です。この軟水硬水の違いは、日本人だけではなく同じ国の人でも地域差によってはお腹を下すこともあるそうです。

そして、お話してきたように日本のように水道水を高度浄水処理している国は少ないです。水道から消毒のされてない生水が出てきている状態で、その国の人は生まれた時から生水を使っているので雑菌に対する耐性があります。一方日本では衛生的な水を飲むことに慣れてしまっているので、海外の生水を飲んでお腹を壊すのは仕方のないことなのです。飲み水として使っていなくても、歯磨きやシャワー、氷などで口にしてしまうことがありますので気を付けてください。

せっかくの海外旅行でお腹を壊して寝込むのは避けたいですから、海外旅行に行く時にはきちんと「生水は飲むな」を守り、ペットボトルを持ち歩く方がいいでしょう。

ペットボトルも安心はできない?

日本では「ペットボトルは絶対安心だ」と思っていますよね。しかし、海外ではそれすら安全でないと言われている国もあるそうです。安い水を買うとまずくて飲めないこともあります。海外でお水を買う時は見たことのあるメーカーのものにしておいた方が安心でしょう。そして一度開封したら雑菌等でお腹を壊す前に早目に飲みきりましょう。

海外では無料の飲料水はない

日本ではお水は水道から出てくるものですが、海外では「水は購入して飲むもの」だという意識が高いと考えられています。海外に行って食事をしにお店に入ってもお冷は出ません。水は有料です。世界と日本では考え方が全く違うのです

日本の水にも気を付ける点はある!!

塩素

日本の水道水は基本的に綺麗ですが、蛇口をひねって出てきても消えないで残っている物質があります。それは「塩素」です。日本の水道水は塩素入りなのです。

塩素は水と結びつくことで化学反応を起こし、「トリハロメタン」が生まれます。

トリハロメタンは発癌性を持つ成分です。水道水に含まれるトリハロメタンの総量が体に害のない量になるように管理はされていますが、気になる方は水道水を沸騰させて使いましょう。10分間沸騰させ続けることでトリハロメタンをなくすことが出来るそうです。そしてそれを冷やして飲むことで水道水からのトリハロメタンの心配はなくなると言われています。

貯水タンクに注意!

古くからある貯水タンクのあるところに住んでいる人は老朽化した水道管から鉛が溶け出すと言うことも多いので気を付けましょう。現在では水道管に鉛を使用することは禁止されていますので入っていることはありませんが、昔からある水道管にはその危険性があります。

鉛の溶けた水を飲み続けると痴呆や脳炎、腎臓障害を起こす可能性があります。鉛を取り除くことはとても難しいので、体を気にする方はミネラルウォーターやミネラルサーバーの水を利用するといいでしょう。

まとめ

近年は日本でも水道水ではなく、ペットボトルのミネラルウォーターやウォーターサーバーなどを利用して飲む方が増えてきています。日本は水道水が別段危険なわけではないですが、より美味しいお水を求めたいと思うのはどの国に住んでいても同じ事なのでしょう。

日本の水道水は安全清潔で24時間いつでも蛇口をひねると飲むことが出来ます。これは他の国と比べるととても恵まれていることで、日本の整備がどれだけしっかりしているかを確認する事が出来ましたね。しかし、日本の水資源は限られています。水の出しっぱなしや無駄遣いをしないように心がけて、水を大切に使っていきましょう。

また、国際協力として日本の企業が海外に出て水道整備をしている地域もあります。今後日本の優れが技術力で水道水が飲める国は増えるかもしれませんね。

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