すき家の「アルバイトは業務委託である」という主張の経緯 -すき家の非情経営まとめ2-

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3月中旬より、すき家では「人手不足のため」という貼り紙を出して一時閉店する店舗が続出している。

詳しい時系列・理由などはこちら

すき家の人手不足閉店は、現代のストライキだ -すき家の非情経営まとめ-

2016.08.05

今回は、上の記事で扱った、過去におけるすき家の

「アルバイトは業務委託である」

という主張について、時系列を振り返ってみたい。

時系列まとめ

  • 06年7月、東京都渋谷の「すき家」のバイト20人超が、突然解雇
  • うち6人が、個人加盟の労働組合「首都圏青年ユニオン」(以下ユニオン)に加盟・相談
  • ユニオンはゼンショーと団体交渉し、9月、訴えが認められる
  • 11月、新たに計10人がユニオンに加盟し、未払い残業代などを求める
  • ゼンショーは、06年11月以降の未払い残業代の支払を決定

つまり、「これからは残業代払うよ!」と宣言した。

ここまでは、「あれ?普通じゃね?」と思うだろう。だが、

  • ユニオンが06年10月以前の未払い分の支払を求めると、ゼンショーは交渉拒絶

突如、「過去の残業代は絶対払わんよ!(ピシャン)」という態度をとる。

それ以降、

  • 07年4月、ユニオンが東京都労働委員会(都労委)に、救済申し立て
  • 09年10月6日、都労委は、ゼンショーに以下の命令を下す

「ゼンショーは団体交渉に誠実に応じること」

「ゼンショーの団体交渉拒否が不当労働行為と認定されたこと、及び、このようなことを繰り返さない旨を記載した文書を組合に交付すること」

「履行報告を命じる」

つまり、ゼンショーは完敗し、「過去の残業代も払ってね!」と言われる。

だが、ゼンショーはこの命令を不服とする。

  • 09年11月13日、再審査を中央労働委員会(中労委。国)に申し立てる

この申し立てで、すき家は「アルバイトは業務委託」と主張するのだ。

すき家の「アルバイトは業務委託」という主張詳細

http://www.seinen-u.org/sukiya-assen.html

アルバイトは勤務シフト表を自分たちで作成し、会社の業務指示で業務をしていない。だからこれは請負契約に類似する業務委託契約であって、雇用契約ではない。

「シフト表は、バイトが勝手に作ってるんだよ!」

「会社は別に、残業するようなシフト組めなんて言ってないのに!」

「だからこれは、業務委託契約なの!!!」

アルバイトの勤務日や時間帯は、アルバイトの自由裁量で会社の指示がない。すべてアルバイトの裁量である。

「バイトの勤務日や時間帯は、バイトが勝手に決めてるの!」

「バイトは、勝手に来て、勝手にたくさん働いてるの!」

請負契約に類似する業務委託契約であり、残業代が発生するという前提を欠いている。

「つまり、請負みたいなもんなんだから、残業代なんて発生しないの!」

…謎の主張である。この主張に対し、

  • 10年7月21日、中労委は、再審申し立てを棄却

当然ながら、敗北する。またもや、ゼンショー完敗である。

その後も、

  • 東京地裁に提訴 → 12年2月16日、東京地裁は、請求を棄却。
  • 東京高裁に控訴 → 12年7月末、東京高裁は、請求を棄却。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-08-18/2012081805_01_1.html

訴えを繰り返し、全敗(計4敗)した。

ゼンショー(全勝)なのに。

そして、6年の時を隔てて、ようやくユニオンと和解するのである。

  • 12年12月25日、ユニオンと全面和解

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2012-02-17/2012021715_01_1.html

この和解によって、「過去の未払い分残業代を請求する団体交渉に応じる」となったものの、現在はどうなっているのだろうか。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-03-28/2014032801_04_1.html

これによると、

会社は一時期、青年ユニオンとの団体交渉を拒否していましたが、現在は和解し、昨年から団体交渉に応じています。組合員たちの昇給差別が是正され、一気に時給20円~30円引き上げとなりました。組合員のいる店舗で閉店は起こっていない、といいます。

青年ユニオンは、すべてのアルバイトの時給水準引き上げ、休憩のとれる人員配置で、人間らしく働ける職場にするよう会社に要求。会社都合の閉店時の賃金補償について、店員の相談に応じるとしています。

「青年ユニオン」に加盟している人は、ユニオンが交渉してくれているようだが、加盟していない普通の人は、交渉できているのだろうか?

さて、今回、すき家の報道を調べる中で、共産党関係の情報網しか出てこないことに、絶望している。

おそらく一般的なマスコミは、すき家の暗部をほとんど報道していない。

人手不足閉店も、騒いでいるのはtwitterや個人ブログ、よくて(マスコミ以外の)ニュースサイトばかり。

儲かることしか報道しないマスコミに任せていたら、日本の労働環境など、良くなるわけがない。

違法に搾取されている人々は、自らどんどん声を上げていくべきだ。

ひとつのtwitterで、世の中が変わることもあるのだから。

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