生活保護と借金についてのさまざまな疑問についてお答えします!

不況が続き、生活保護を受給する人が年々増えています。また離婚やDV被害などで生活保護申請をする人も増えています。それに伴い、生活保護と借金についての疑問を持つ人も多くなっていると思います。今回は生活保護と借金に関する様々な疑問にお答えします。

生活保護と借金についてお答えします!

不況が続く中、日本の生活保護受給者はどんどん増えています。突然の失業や、離婚、DV被害者、病気が理由で働けない人など、それぞれに事情を抱えており、やむを得ずセーフティネットである生活保護の申請をします。

これから生活保護を申請しようとする人、そうでない人でも生活保護と借金について色々な疑問を持っている人が多いと思います。生活保護になったら借金がなくなる、という噂を聞くこともあります。そこで実際に生活保護と借金に関する様々な疑問についてお答えします。

借金があっても生活保護は受けられるの?

「借金があると生活保護が受けられない」「申請時に借金がある話をしたら断られた」という話を耳にします。法律的には借金を理由に生活保護申請を断れないことになっています。実際には借金がある状態で生活保護を申請・受給することはできるのでしょうか?

借金があっても生活保護の申請・受給は可能

結論から言うと、借金があっても生活保護の申請・受給は可能です。債務のある人は生活保護を受給できないという法律もありません。ただし、最初に借金を整理することは奨められるはずです。

保護申請を断られた人というのは、申請の相談に福祉事務所に行って、ケースワーカーに「借金の催促自体が行われないようにするために、先に法テラスで相談するように」アドバイスされたと思われます。

ただし、病気などで緊急性がある保護申請の場合は、まず先に生活保護を受給させ、病状や生活が落ち着いてから借金に関する手続きを進めることもあるようです。

自己破産などの債務整理を奨められる

法テラスに借金についての相談に行った場合、生活保護を申請する人の場合は基本的には自己破産を奨められるようです。債務整理という方法もありますが、資産もなく、生活保護を申請するほど困窮している状態での債務整理は、ほぼ不可能でしょう。

ちなみに借金の催促については法テラスで相談して、弁護士が本人の代理人として金融業者に連絡をした時点で止まります。金融業者は代理人としか交渉ができません。また弁護士費用は法テラスが立て替えてくれます。

自己破産をする場合は、簡易裁判所に自己破産の申立をし、破産宣告の後に免責が降りると、借金を返済する義務自体がなくなります。この時点で生活保護を受給していれば弁護士費用の立て替え分もほぼ免除になります。

生活保護費から借金を返済していいの?

前項で、借金があった場合は基本的に自己破産を奨められた上で、生活保護受給が可能と説明しました。しかし中には「自分の作った借金は返したい」と思う人もいるでしょう。生活保護費で受給前に作った借金を返済していいのでしょうか?

生活保護費からの返済は不可と考えたほうがよい

法的には生活保護費からの借金返済は不可ではありません。しかし、生活保護費=最低限度の生活を送るために必要なお金、というのが大抵の福祉事務所の認識です。そのため申請時に自己破産を含めた借金の整理を奨めてくるのです。

さらに、借金の返済をしていることがケースワーカーに知られると「警告」される場合があります。場合によっては手続きを踏んだ上で、保護打ち切りになった例もあるそうです。そのため、生活保護受給前に作った借金が少額でも保護費からの借金返済はせず、法テラスで相談をするのが再優先です。

基本的には生活保護受給前に作った借金を、受給後の保護費で返済することはできない、と考えたほうがよさそうです。

生活保護費からの借金の取り立て・差し押さえも禁止

借金の支払いをしなければ、金融会社からの取り立てや差し押さえがあるのが一般的です。しかし、生活保護法の中に、「国から提供された住居や金品は差し押さえることができない」と記載されており、生活保護費からの支払いをさせることや、住居などの差し押さえは違法です。

通常の金融業者であれば、生活保護受給者からの強制的な回収や差し押さえはできないことを知っていますので、自社の債権を整理するためにも法的な手続きを取って欲しいと思っているはずです。ですから支払いはせず、早めに法テラスへ相談しましょう。

生活保護を受けながら借金はできるの?

ここまでは借金の返済について説明してきました。それでは、生活保護を受給中に急にお金が必要になった場合、借金をすることはできるのでしょうか?その返済などはどうすればいいのでしょうか?ここでは借金に関する疑問について説明します。

借金は可能だが収入として扱われる

生活保護を受給していても、借金をすること自体は法的には問題ありません。しかし、借金をした分は生活保護費が増える=収入として扱われます。ですから、借金をした金額分の保護費を返還しなければなりません。返還しなければ、その分が不正受給として扱われることがあります。

例えば、1万円借金したとします。その1万円は収入とみなされるため、保護費から1万円を返還します。しかし借金した1万円の返済も別途発生するため、結局は倍の2万円の返済が必要になるということです。何もいいことはありません。

どうしてもお金が必要な場合には、まず福祉事務所に相談をしましょう。例えば、冷蔵庫や洗濯機などの生活必需品が壊れた場合などは「貸付資金」の制度があり、貸付金を収入として扱わずに貸付をし、返済ができるはずです。

借金を隠しているとペナルティがある

生活保護費を受給中に借金をした場合は、すぐに福祉事務所への報告、事情説明が必要です。しかし、借金をしたことを隠していて、万が一バレてしまった場合、それは不正受給になります。もちろん借金した金額=不正受給していた金額は収入として扱われるため、返還を求められます。

福祉事務所は金融機関の残高の調査も行っていますし、自宅を訪問しますので、その際にも様子をうかがっています。さらに「受給者の持ち物や生活が派手になった」という友人・知人からの密告も多いそうです。

借金の金額が大きかったり、悪質だと判断された場合には生活保護の打ち切りもありえますし、場合によっては刑事事件に発展することもあります。借金をしてしまった場合には、素直に福祉事務所に相談するのが一番です。

生活保護受給者には業者も貸したがらない

生活保護受給前の借金に関しては、前述した通り、法テラスで相談の上、自己破産・免責することで支払いが免除されましたが、生活保護受給後の借金に関しては、支払い義務が生じます。また借金は収入として扱われてしまうため、福祉事務所に返還しなければなりません。

通常の金融業者であれば、生活保護受給者からのローンなどの申し込みは断ります。貸付をしても、収入が生活保護費だけでは福祉事務所へ返還する分、業者への返済が滞ることが多いからです。また万が一の場合に回収や差し押さえができないため、通常は貸付は行いません。

生活保護費は、計画的に使いましょう

生活保護と借金についての基本的な説明をしてきましたが、あなたはどう感じましたか?世の中には生活保護受給者というだけで白い目で見る人も存在しますが、もしあなたが突然何かの事情でほとんどお金がなくなってしまった時に助けてくれるのも、生活保護という制度です。

確かに本当に必要としている人の申請が認められず亡くなったり、意図的に不正受給を行って贅沢な生活をしている人がいたりと極端で、日本の生活保護制度についてはまだまだ改善の余地があると思います。

しかし生活保護は税金で賄われている制度です。せめて基本的なルールは守り、保護費は計画的に大切に使って欲しいと思います。「困った時にはまずケースワーカー」に相談です。