じーさんばーさんとタッチパネル:高齢者がスマホを使えない意外な理由

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http://www.gadget2ch.com/archives/25027614.html

 

読んだ。

洗濯物の乾燥が終わるまでヒマなので書いてみる。

常日頃じーさんばーさんの相手する商売やってるわけだが、ATMの操作なんかでもじーさんばーさんに教えるのはひと苦労である。まったく操作できない人というのがいるわけだが、また考えてもしゃーないのに「なんでこんなに使えないんだろう」というようなことはよく考える。

で、まず思いつくのは「そもそもタッチパネルというものの意味がわからん」ということがあるようだ。つまり「画面に触ると操作される」というのが、どうしても感覚的に納得がいかないらしい。操作体系ってのはなかなかに厄介なもので、たぶんその人が三十代とかそれくらいの年齢で「体系」まるごとが新しく入ってくる段階ってのは止まる。もともとガジェット好きとかならともかく、そうでない場合、日常的に操作するのはテレビやエアコンのリモコン止まりだと思われる。

ところでうちの母親はビデオの録画予約ができない。決して機械ものに弱い人ではないし、知識欲は現在でも異様に旺盛な人で、しかも新しもの好きだ。つーかいま思い出したけど、電気工事かなんかの資格持ってる。たまに思い出したようにメールが来るのだが、ケータイから送られたそれはクソ長文で会話体で接続詞が多い。血は水よりも濃いという言葉のこんな残念な実例を俺はほかに知らない。しかもこっちが「あ、そう」とか返事を返すと爆速でまた長文のメールが来る。

最初にケータイを手にしたのは60近くになってからだから、ずいぶん使いこなしている。

そういう人なのだが、ついぞビデオの録画予約ができない。あとはPCの操作ができない。ところが日本語ワープロは扱うことができる。

両方とも「教えろ」といわれて説明したことがある。その結果、PCについては「実行する」という概念でつまずいていることがわかった。ファイルはわかるらしい。「その中に文章が入っているもの」という理解だ。だからテキストファイルをダブルクリックすれば文章が表示されることは理解できる。しかしプログラムのほうがわからない。つまり「Notepad.exe」を単体でクリックした場合に、なにも書かれていないメモ帳の画面が立ち上がることが理解できない。

別にそんなことは理解できなくてもPCは使えるわけだが、わからないと先に進めないらしい。

ビデオの録画に関しては手元の操作画面がテレビ画面に反映される、というのが「感覚的に」納得がいかないらしい。ビデオの操作をしているはずなのに、その内容が画面に反映する、というのが納得できないらしい。

これはまあ、俺の母親というたったひとつのサンプルの話なんだが、ATMの操作でじーさんばーさんがまごついてるときに、かならず最初に言われるひとことがある。

「これを触ればいいの?」

というやつだ。

それ以外にどうやって操作進めんだよ、と俺あたりは思うわけだが、まずこの段階で引っかかりがある、という話だ。さらに母親にいろいろと説明した経験を加えて考えるに、どうもじーさんばーさん「ボタンの配置が変わる」というのがダメであるらしい。

テレビのリモコンがわかりやすい。あれは「1」を押したら1チャンネルである。「1」に複数の機能が割り当てられているわけでない。もちろんボタンの位置が変わったりすることはありえない。

そこでタッチパネルなんだが「操作開始」を押すと、次のときには同じ場所が「確認」とかいうボタンになってたりする。同じ場所なのに機能が変化する。1ボタン1機能の世界では、ボタンに書かれた文字を読んで機能を確認する必要もない。

そう、ATMでもチケット発券の機械でも、コピー機でもなんでもいいんだが、画面をよく見ればアホでもわかるようにできている。ところが「タッチパネル」というものに根本的な違和感があるために、文字を読んで機能を理解しタッチする、というところまで辿りつかない。まして店員がいれば聞いたほうが早い。

そうはいっても、たとえばATMでは暗証番号をこっちが入力するわけにはいかない。自分で押してもらうほかない。まあ押してもらおうとすると、暗証番号をでっかい声で店員に告げるばーさんは、週に一度くらいのペースで見かける。暗証番号を覚えてないばーさんはそれ以上に多い。カードに油性ペンでメモしてるばーさんもいるぞ。

まあとにかく押してもらうわけなんだが、そうすると今度は「ボタンであれば押した手ごたえがあるはず」問題が出てくる。これについてはリンク先の漫談家の人の言葉が実に鋭い。「反応したら指を離す」というのもなかなかうまくいかない。クリック感がないからだ。それでも音が鳴ればまだましなんだが、売場のうるささのわりにATMあたりの操作音は小さい。鳴ってても耳が遠くて聞こえない可能性もかなりある。こうなると「やたらに強く押す」という傾向が出てくる。しかも長い時間触ってる。反応してんだかしてないんだか感知できないから。

ここまで、ほぼ共通した傾向である。あとレジでの年齢確認ボタンなんかにも似た傾向が出てくる。とにかく強く押す。あと年齢確認のボタンそのものがでかいわけなんだが、そうすると今度はボタンの大きさに対応して触らないといけないと思うのか、手のひら全体で触る人は相当にいる。

リンク先の文章は五十代のおっさんの話なので、ここまで極端ではないと思うのだが、慣れられない理由は似た傾向のものだと思う。人間「新しい操作体系」を頭に入れるのはけっこう大変で、50歳も越えてからとなるといっそう大変なんじゃないか、という話。ま、リンク先のブコメにもあるように、覚えられる人は70歳だって簡単に覚えられんすけどね。あくまで大雑把な傾向の話です。

これたぶん「どんどん新しい操作体系が出てくる」っていうことが前提になってる世代だと話はまた別かもしんないですね。たとえば瞳孔の動きで操作するようなシステムが登場したときに、実行できるかどうかはともかく「ああ、そういう操作体系もありうるよね」って理解してるのとそうじゃないのとでは違う。

そういう意味では、ガラケーまでは昔からある操作体系と地続きだったんでしょうね。対応できない人たちが多数出てくる、という段階で逆説的にスマホってものの革新性がわかるというか。

とまあ、ここまでいろいろ書いてきましたが、俺は最近まで「スマホ」ってものがスマートフォンというものであり、タッチパネル式のあんなものの総称であり、そのうちアップルのスマホがiPhoneだということを知りませんでした。スマホ=iPhoneであると思い込んでおり、アンドロイドとかよくわかりませんでした。興味ないからです。

つーかタッチパネル嫌いなんだよ。レジの画面ですら可能な限りテンキーで入力する。脂症だから画面触るとてきめん脂つくんだよ。画面に触らないためならメニューキーの位置全部暗記するくらいの努力はするわ。

市場にガラケーある限り、俺はガラケー使いつづけます。キーボードもずっと親指シフト配列のままだ。

※追記

目がさめてしまったので追記。親指シフトについての言及がいくつかあったので。

専用キーボード使ってるわけじゃないので、正確には親指シフトっつーよりはNicola配列っていうべきなんでしょうけども、俺が使ってるのは定番のキーボードの配列を変更するソフト「やまぶき」ってやつです。

専用キーボードは懐かしの「Rboard Pro for PC」を2台ばかり所有、そのほかにも富士通の純正をひとつ持ってますが、その後、HHKB Lite2の日本語配列のやつなんかを経由しつつ、最終的に、美森さんからいただいたRealforce106の打鍵感に完全に殺られまして、以後はそれ一筋です。もう専用キーボードに戻れったって戻れません。

ウィンドウズ環境でNicola配列を実現するソフトがなくなったら、冗談抜きでOSごとどこかに引っ越すくらいの覚悟でおります。これでないと文章書けないので。

あと、そもそも自分の部屋にキーボードが15台くらいあります……。ハードオフのジャンクコーナーとかで、ちょっと打鍵感のいいキーボードを見つけるとつい買っちまうっていう悪癖が……。

あ、親指シフト対応のポメラの存在忘れてた。そのうち買おう。

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